ヘリテイジ社の「エスパース・ソロ・GORE-TEX」 このテントは、私が2つ目の山用テントとして選んだゴアテックス素材のシングルウォール構造のオールシーズンテントです。 トレックライズ1と比較すると、幅が10cmだけ狭いですが、逆に天井の高さは若干こちらの方が高く設計されているのであまり狭さは感じません。一人なら十分な広さです。
このテントの最大の特長は、積雪期に使用する時には、本体と同じゴアテックスで作られている吹き流し入口にまるまる交換できるので、特にフライなどが必要ないということでしょうか。 通常、他社製のゴアテックステントには別途フルフライタイプのフライが用意されていたりしますが、これだとその分だけ重量が重くなってしまって、折角のゴアテックステントの利点が失われてしまいます。
よく勘違いされている方がいらっしゃいますが、ゴアテックスのテントはリップストップなどの他の生地で作られているテントと比較すると、単純に重量は重くなります。ただ、ゴアテックスはフライを使用する必要がないということから、トータル的に見て「軽いテント」といわれています。
それから、ゴアテックスという素材は防水性や透湿性は高いですが、機密性も非常に高いので、夏はテント内がかなり暑くなります。風通しという点から見れば、他の3シーズンテントの方がはるかに快適だと思います。しかもこの機密性が問題で、強風が吹くところでの設営や撤収にはかなりの注意が必要です。 (聞いた話ですが、突風が吹く中でテントを撤収していたら、人間一人が入った状態のままテントが風で吹っ飛んで行った・・・ということも現実に起きているそうです。まぁ余程の突風だったそうですが・・。ご参考までに。)
ゴアテックスは、冬季の場合はゴアの表面に付着した湿気が瞬時に凍ってしまうことがあるので、こうなると折角のゴアの透湿性能がぐぐんと低下してしまいます。 フルフライタイプのフライを被せてしまうと、テントとフライの間に溜まった湿気が更に凍結してしまうという現象も置きやすくなります。 できれば、冬季に使用する場合はフライなしで使用できた方が都合は良いわけです。
ところで、フライを使用しないゴアテックスのテントは、前室が確保できなくて降雨時は非常に使い勝手が悪くなります。 そこで、エスパースのゴアテントには「半分だけ覆うフライ」が用意されています。半分だけのフライなら、ゴアテックスの機能を損なうことなく快適性も向上します。 これが非常に使い勝手が良くて、私的にはこのテントが気に入っている最大の理由です(^^)
ちょっと長くなってきたので、以下に簡単に良い点悪い点をまとめて見ましたので、ご参考になれば幸いです。。
------------------------------------------------ 【良い点】 ・とにかくシンプルで軽量 ・さすがに結露ができにくく、非常に快適 ・降雨時に使用するテントとしてはやはりゴアが最強かも? ・半分だけのフライ「前室フライ」は超便利で超軽量 ・積雪期にはゴアの吹き流し入口に交換できる ・ポールスリーブの袋状になっている部分が万が一損傷しても、四隅には緊急用のパーツが着いている設営が可能 ・ファスナーのみが“赤”なのでアクセントになってて見やすいしデザイン的にもグッド♪
【悪い点】 ・テント内が暗い・・ ・機密性が高く、夏は暑い ・前室フライを使用する際は、グランドシートの使用は×。テントをつたってテントの底とグランドシートの間に雨が溜まり、逆に浸水の原因になるのでグランドシートの使用はやめる・・もしくはやや小さく畳んで使用した方が良い。(その分底部分は強度はあるので特に手荒に扱わなければ大丈夫だと思いますが。。) ・全てのシームがテープでとめてあるので、テント内には一切フックの類がない。 (色々考えた挙句、ファスナーとベンチレーター部分をロープで繋いで“物干し”を作ることは可能でしたが^^;(笑) ------------------------------------------------
【メンテナンス】 最後に、GORE-TEXのテントの機能が損なわれない状態で使い続けられる寿命の目安は、実際は数年といわれていますが、使用後のメンテナンス次第でその寿命は長くなったり短くなったりします。 使用後は、水に塗らして絞ったタオルでテントの表面に付着したホコリや汚れを水拭きして落とし、しっかり乾燥させるだけでもかなり違います。 衣類に使われるGORE-TEXは積極的に洗濯(注意点あり)をして維持していくのがベターですが、テントなどに使われているGORE-TEXは洗濯ができません。(というか洗濯してはいけない)
それと、防水性が落ちてきた場合ですが、軽度の場合はあて布をした状態でアイロン(中温)を当てるだけである程度は復活します。激しく水が滲むようになった場合は、市販の撥水スプレーをかけて自然乾燥させた後、あて布をした状態でアイロン(中温)で熱を加えることで、撥水性能が蘇ります。「もうダメ」と諦めてる方、一度お試しあれ〜。
てなワケで、機能を損なうことなく末永く使いたい場合は、手を抜かずしっかりとメンテナンスを行いましょう〜。
■スペック ・重量:1.46kg ・サイズ:間口210×奥行き100× 高さ105cm (内寸高100cm) ・生地 本体:15Dナイロンリップストップ・ゴアテックス3レイヤー超撥水加工 グランドシート:40Dナイロンタフタ、ウレタン防水加工 ポール:アルミ合金中空ポール(7001T−6)直径8.5mm
■Keyword:機能的,light,コンパクト,快適,オススメ |